南仏の優美な街エクス=アン=プロヴァンスの東側、20kmの距離に位置するサント=ヴィクトワール山は標高1011m、東西の長さが約12km。硬いゴツゴツした恐竜の背中を思わせる稜線は石灰岩から成り、小さな高山植物が自生するのみです。特にミストラルが吹く日は、澄みきった青空に白い稜線がくっきり浮かび上がります。山はブドウ、オリーブ、小麦などの畑が見え隠れする豊な丘陵地帯を見下ろすように聳え立っています。
サント=ヴィクトワール山の南側はそそり立つ絶壁が続き、険しいの一言に尽きます。登山ルートは傾斜が緩やかな北側、あるいは稜線の端から登るなど、様々なルートがあります。また、風に吹かれながら、南はマルセイユのベール湖、西はヴァントゥ山を見ながらパノラマを楽しみ、稜線を東西に歩く本格的なルートもあります。
比較的登りやすいのは西側の稜線から登るコースです。北側のビモン・ダム(barrage du Bimont)のパーキングに車を止めます。ダムを横切り、森林を通るImoucha道から稜線へと続くコースで、登りの所要時間は約2時間半です。山の頂上付近には修道院跡があり、さらに岩だらけの急な道を数10m登るとプロヴァンスの十字架に辿り着きます。このコースの標高差は約590m、硬い岩の上を歩くのでトレッキングシューズが必要です。
1989年8月サント=ヴィクトワール山は3昼3夜燃え続けるという山火事で大きな被害を受けました。時速100mを越えるミストラルにあおられた炎が、西から東へと、瞬く間に山の稜線をなめつくしたそうです。山火事を警戒して、6月1日から9月30日までは登山が規制されます。一部のコースは午前11時以降は閉鎖されるので、事前に確かめてからコースを選んでください。
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Mariko B (木曜日, 30 5月 2013 17:35)
サントビクトワール山て、こんなに険しい山なんですね。頂上の十字架とか、緑色の湖とかとても魅力的ですね。写真がとてもきれいです。